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解説

  • 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • (5)下腹痛

  • (A)急性

    問診:
    ①卵巣腫瘍茎捻転、②異所性(卵管)妊娠破裂、③卵巣出血、④骨盤腹膜炎が代表的な婦人科疾患である。①は発症時間が明確、②は無月経期間の問診(最終月経が不明、という女性は多い)。悪心・嘔吐、下痢などの随伴症状が存在することがあり、消化器疾患と似ることがある。また、妊娠初期からの生理的白血球増多の存在が認められる。③の多くは性交後に発症する。④は白血球増多があるが、体動や性交時に疼痛が増悪することが特徴。婦人科疾患以外に虫垂炎、尿路結石、小腸・結腸動脈の阻血による虚血性腸炎、大腸憩室炎、などの鑑別が必要である。

    検査:
    まずバイタルサインの確認を行う。腹腔内出血など失血の際、若い女性の場合血圧は最後まで保たれ、脈拍数の増加で循環は代償される。よって、血圧だけで判断せず、ショックインデックス(SI)なども考慮し外科的介入の時期を失しない。経腟超音波による卵巣腫大、ダグラス窩の液体貯留、経腹超音波による虫垂の腫大、尿管の拡張などの所見を検討する。
    CTを取る場合は妊娠初期でも必要性が被ばくのリスクを上回る、と医師が確信した場合はよく説明したうえで撮像する。造影CTは妊娠中でも可能。MRIは被ばくのリスクが少なく使いやすいが、妊娠中の造影剤使用は禁忌とされる。
  • (B)周期性

    ◆ 月経中に起こるもの(月経困難症):Ⅱ)-(1)-(D)を参照
    ◆ 月経の中間期に起こるもの:排卵時痛が多い。
  • (C)慢性

    問診・理学的所見:
    子宮内膜症が代表的であるが、悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど)の初発症状が骨盤痛であることがある。その他に、反復する骨盤腹膜炎の既往などの癒着、骨盤内うっ血症候群、性器脱、などの婦人科器質的疾患、卵巣手術の既往があれば遺残卵巣症候群、大腸の憩室炎や過敏性大腸、間質性膀胱炎、腹壁に手術瘢痕があれば縫合糸の問題や腹壁の神経・筋肉由来の疼痛、などを問診と理学的所見により鑑別する。

    検査:
    腹壁由来か内臓由来か、の鑑別にCarnett徴候は有効である。腹腔鏡検査は原因を特定できないことが多く、最初から勧めるべきではない、とされる。
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