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解説

  • 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • (5)性交渉・妊娠に関する訴え

  • (A)痛い

    問診:
    初交以降続くのか、性成熟期になって痛みが強くなっているのか、閉経後からなのか、性感染症や骨盤腹膜炎の既往などの問診が必要である。また、挿入時の痛みなのか動いた時の痛みなのか、などの情報が原因や対処法を考える上で重要である。

    理学的所見:
    腟鏡診を行った時の反応や腟の広がりを観察する。子宮周囲の癒着や子宮内膜症病変は、双合診で子宮を上下左右に動かしたときの痛みや、腟直腸診(示指を腟に、ゼリーを塗布した中指を直腸に挿入し子宮背側やダグラス窩の硬結を蝕知する)により診断する。癒着などは早期には画像診断では描出されず、問診と理学的所見で診療を進める。
  • (B)妊娠したい

    問診:
    月経周期やその量、随伴症状、避妊なしでの性交を持った期間、性交の頻度、排卵のタイミングを取っているかどうか、現在服用している薬などを問診する。排卵日を基礎体温表で予測している場合はそのグラフと性交歴を比較する。排卵日直前の性交渉が6周期あれば、妊娠できるカップルの9割が妊娠しているので、医療介入についての相談をすべきである。基礎体温の測定は参考にはなるが、カップルのストレスになるので必須ではない。むしろ尿LHサージをとらえる排卵予知検査薬の自己使用や、経腟超音波での卵胞径測定による排卵日予知の方がよい、と言う意見もある。いわゆる低用量ピルを”月経痛の薬”と認識して服用し続けている場合がある(妊娠しなくて当然)ので、内服薬の確認は必須である。

    検査:
    女性の年齢とカップルの希望によっては必ずしも1年間(日本における不妊症の定義)待つ必要はない。特に妊孕性が低下する35歳以上では早い時期からの介入(検査開始)も是認される、とする意見が多い。男性因子(精液量、精子数、精子運動性、精子形態異常率)、排卵因子(排卵の有無は月経開始1週間前程度の血中プロゲステロン値測定で十分である)、卵管因子(子宮卵管造影法)、子宮因子(経腟超音波による評価と、子宮卵管造影による子宮内腔の変形の評価)、内分泌因子(プロラクチン、TSH(甲状腺刺激ホルモン)やLH(黄体化ホルモン)、アンドロゲンによる多嚢胞性卵巣症候群の評価)などを系統的に行っていく。
  • (C)妊娠したくない

    問診:
    避妊法として何を用いるかの相談を行う。本邦においては低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(ピル)か、子宮内留置器具(ミレーナなど)が代表的な確実性のある避妊法である。低用量ピルを用いる時には血圧の測定と共に喫煙、血栓症の既往、家族歴などの聴取が必要である。また、深部静脈血栓症、肺梗塞などの、自覚症状についてのリーフレットを企業が作成しておりそれを用いて説明する。禁忌条項に当てはまらないかを確認し、特に手術前4週間、術後2週間の一時中止なども含めて注意が必要である。
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