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解説

手湿疹

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 手湿疹
  • 定義・概要
    手に出現する湿疹・皮膚炎の総称。頻回の手洗いや、消毒剤や洗剤等の化学物質への曝露によって刺激性、アレルギー性に湿疹性変化を生じる。主婦や美容師、職人など手を酷使する職種に好発する。
  • 診察時のポイント
    職歴や生活歴を丁寧に問診する。手の掌側と背側はもちろん、指間部や爪の観察もよく行う。手のみの診察では鑑別疾患を見落とすことがあり、手以外の皮膚も診察する。
  • 診断の流れ
    患者は手をよく使用する職歴や生活歴をもつ場合が多く、必ず問診で確認を行う。手洗いを頻回に行う患者では指間部(特に第4~5指間)にカンジダ症を合併していることがあり、びらんや浸軟を認めれば検鏡を行う。手湿疹の患者のうち少なくない症例がアトピー性皮膚炎を背景に持っており、手以外の部位の湿疹の有無についてもよく診察することが必要である。
    接触皮膚炎を起こしている場合、患者本人が自覚していないものが原因となっていることも多いため、手袋やハンドクリーム、消毒剤、オイルなど一つずつ丁寧にその使用歴を確認する。原因物質の特定には、パッチテストが有用である。パッチテストでは、背部の皮疹のない部分に被疑物質をチャンバーに塗布して貼付し、48時間後にそれを剥がし、48時間後、72時間後(被疑物質によっては1週間後も)に紅斑、丘疹を評価する。
    重要な鑑別疾患として、皮膚筋炎に伴う手湿疹様の変化がある。指節間関節や中手指節関節の背側の丘疹あるいは紅斑はゴットロン丘疹とよばれる。指関節屈側に生じる鉄棒まめ状の“逆ゴットロン徴候”は抗MDA5抗体陽性例で、“機械工の手” は特に抗ARS抗体陽性例でよく見られ、いずれも間質性肺炎に注意が必要である。 爪上皮出血点や爪囲紅斑など膠原病に特徴的な所見の確認はもちろん、その他の症候がないかを確認し、見落とさないように気をつける必要がある。
  • 鑑別疾患
    【手白癬】比較的境界明瞭な角化を伴う紅斑として出現する。足の白癬から感染が拡大し生じることが多い。
    【尋常性乾癬】境界明瞭な角化性紅斑局面が出現する慢性炎症性角化症。爪病変は点状陥凹、線条出血、爪甲剥離、爪肥厚など多彩な変化をきたす。物理刺激を受けた部位に皮疹が誘発されるケブネル現象を伴う。
    【掌蹠膿疱症】掌蹠に限局して紅斑、漿液性丘疹、無菌性膿疱を生じる疾患。喫煙歴や口腔内歯科金属との関連が指摘されており、中年女性に好発する。ときに胸鎖関節を中心に骨関節炎を合併する。欧米では乾癬の一病型と考えられている。
    【皮膚筋炎】自己免疫性の炎症性筋疾患で、ヘリオトロープ疹やゴットロン徴候などの典型的な皮疹を伴うもの。検出される筋炎特異的抗体によって、間質性肺炎や内臓悪性腫瘍の合併など、それぞれ特徴的な臨床像を呈する。
    【異汗性湿疹】掌蹠に数mm大の小水疱が多発して通常は数日内で鱗屑となる汗疱をベースに、それが瘙痒を伴い増悪、湿疹化したもの。夏期に好発する。
    【凍瘡】末梢の小動静脈の循環障害によりうっ血性の炎症をきたし、四肢末端や耳介、頬部に浮腫や紅斑を生じたもの。寒冷曝露により発症する。
    【疥癬】ヒゼンダニの皮膚寄生により紅斑、丘疹、膿疱を生じる。指間部に皮疹を生じることが多く、水酸化カリウム(KOH)法による検鏡で虫体あるいは虫卵を確認し診断する。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では感染力が強く隔離措置が必要となる。
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