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解説

足白癬

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 足白癬
  • 定義・概要
    皮膚糸状菌による真菌症で、人口の約20%が罹患しているとされる。小水疱型(汗疱型)、趾間型、角質増殖型がある。土踏まずや趾間(特に第4趾間)に多い。
  • 診察時のポイント
    爪白癬を合併していることも多いので、爪も確認する。直接鏡検で真菌を確認することが必須である。
  • 診断の流れ
    直接鏡検では、採取する部位が重要である。小水疱があれば、水疱蓋を鋏で切り取り直接鏡検を行えば、ほぼ確実に菌要素を確認できる。反対に水疱蓋を採取しても皮膚糸状菌が見えなければ足白癬ではない。アルコール綿で皮膚表面を拭くと、小水疱を見つけやすくなる。小水疱がなければ、水疱が破れてまだ辺縁の皮膚に付着しているみずみずしい鱗屑から調べる。
    趾間型足白癬でも浸軟部そのものではなく辺縁の鱗屑から検査する。顕微鏡の絞りを絞って、コンデンサーを下げ、10倍の対物レンズで観察する。水酸化カリウム(KOH)溶液で十分に溶かすことが重要であり、角質細胞が溶けていない場合に、角層の隙間や角質細胞間の脂肪滴が菌要素のように見える(菌様モザイク)ことがある。また、皮膚表面の糸くずや真皮の線維成分なども真菌と間違えることがある。
    すでに抗真菌薬外用が行われている場合、菌体を確認することはほぼ不可能である。臨床的に足白癬が強く疑われるが、直接鏡検で真菌が見つからない場合は、副腎皮質ステロイド薬を1~2 週間外用させてから、再度直接鏡検を行う。なお、臨床的に改善していても菌が見つかることはあり、見た目の改善だけで足白癬を否定してはいけない。
  • 鑑別疾患
    【接触皮膚炎】瘙痒のある紅斑が主体で、一部に水疱、痂皮が混在する。
    【汗疱・異汗性湿疹】足趾や足底に小水疱、落屑を繰り返す。しばしば他部位の湿疹の増悪時にみられる。
    【掌蹠膿疱症】足外側縁などに小水疱、膿疱、痂皮、鱗屑が混在する紅斑性局面で、手掌にも生じる。喫煙者に多い。増悪、寛解を繰り返し、慢性に経過する。
    【足底の過角化】機械的刺激などで生じる足底の過角化では、角質が均質であり、鱗屑が比較的少ない。
    【胼胝性湿疹】胼胝様の過角化、厚い鱗屑を付す。紅斑は目立たないが痒みが強い。しばしば亀裂を伴い、疼痛がある。
    【紅色陰癬】間擦部や湿潤部位に好発し、第4趾間などに多い。境界明瞭な紅色〜紅褐色斑で、表面に薄く細かい鱗屑を付着する。趾間では黄色調の厚い鱗屑を生じる。グラム陽性桿菌Corynebacteriumの角層への感染による。Wood灯で紅色(coral red)に光る。
    【Pitted keratolysis】足底の体重のかかる部位に、5mm程度の点状の陥凹を生じる。悪臭を伴う。多汗に関連し、長時間靴下をはいていて蒸れやすい人に生じやすく、夏季に多い。Corynebacterium属などの細菌が角質内で増殖し、角質を融解させることにより生じる。
    【疥癬】足側縁、趾間などに角化を生じる。線状の鱗屑を伴う皮疹、いわゆる疥癬トンネルが診断上重要である。通常、足だけでなく、手掌、指間、手関節部屈側、臍、陰部などにも皮疹を生じる。
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