監修
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 / 茨城県地域産科婦人科学講座 教授
寺内 公一 先生
更年期障害の主な症状
エストロゲンの分泌量
閉経前後に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少すると、ほてりやのぼせ、発汗、冷え、頭痛などさまざまな気になる症状があらわれることがあります。その治療の1つがホルモン補充療法(HRT)です。
ホルモン補充療法(HRT)に使う主なホルモン製剤
ホルモン補充療法(HRT)に使う薬剤
ホルモン補充療法(HRT)に使われる主な薬剤には、経口剤、貼付剤、塗布剤などがあります。
- ・更年期障害の治療法は、HRT以外に漢方薬による治療、抗うつ薬や抗不安薬による治療があります。
- ・HRTは減少した女性ホルモンを補うため根本的な治療法として期待されています。
ホルモン補充療法(HRT)の投与方法
● 子宮のある方と子宮を摘出した方で、投与法が異なります。
● エストロゲンには2つの投与法があります。
周期的投与法:21〜25日間投与し、その後5〜7日間休薬する
持続的投与法:休薬せずに続けて投与する
ホルモン補充療法(HRT)の投与方法‐エストロゲン単独療法
● 子宮のある方と子宮を摘出した方で、投与法が異なります。
周期的投与法:21〜25日間投与し、その後5〜7日間休薬する
持続的投与法:休薬せずに続けて投与する
ホルモン補充療法(HRT)の投与方法‐エストロゲン・黄体ホルモン併用療法
不正出血が見られた場合
薬剤の用量を減らすことによって対処できることがありますので、
「気になるときは我慢せず医師に相談してください」と患者さんにお伝えください。
ホルモン補充療法(HRT)で知っておきたいこと
期待される効果
- 更年期障害のホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)や発汗異常などの改善
- 閉経後骨粗鬆症の改善
- 泌尿器・生殖器の粘膜の萎縮や乾燥による萎縮性腟炎や性交痛などの改善
- 子宮や卵巣を摘出したことによる低エストロゲン症の改善
HRTのマイナートラブル
女性ホルモンの影響によって不調を感じる場合があります。
特にホルモン補充療法(HRT)を開始したばかりの頃に不調と感じやすい症状は、月経のような出血や胸の張りなどです。
月経のような出血
エストロゲンのみを長期間投与すると、子宮内膜が増殖して子宮内膜癌の原因の1つになるとされています。そこで黄体ホルモンを1か月のうち10~14日間使い、月経のような出血を起こして子宮内膜をきれいにする方法がとられています。
胸の張りや胃のムカムカ
乳腺や子宮はエストロゲンの作用を受けるため、ホルモン補充療法(HRT)を開始して体内のエストロゲン量が増えると、胸やおなかに張りや痛みを感じることがあります。こういった症状は、ちょうど月経前などに胸が張るのと同じように、女性ホルモンの正常な作用でもあります。たいていはHRTを始めてしばらくすると、不快感が薄れてきます。
それでも気になるときは、お薬の量を減らすことによって対処します。
ホルモン補充療法(HRT)と癌との関連性
子宮内膜癌
長期的にエストロゲンを単独で使用した場合、子宮内膜癌が増加することがわかっています1)。しかし現在では、子宮内膜癌を予防するために、子宮内膜の増殖を防ぐ黄体ホルモンを併用します。
乳癌
米国で行われた研究によると、エストロゲンと黄体ホルモンを併用して5年以上治療を継続した場合に、乳癌が増加することがあると報告されています2)。一方、子宮を摘出した方へのエストロゲン単独療法では明らかなリスクの増加は認められていません3)。また乳癌のリスクを高めるものとして、さまざまな要因が知られています。中高年女性はホルモン補充療法を受けているかどうかにかかわらず、定期的な乳癌検査を受けて早期発見に努めることが大切です。
HRTと乳癌との関係
「HRTによる乳癌リスクは、主として併用される黄体ホルモンの種類とHRTの施行期間に関連している」1)とされています。
乳癌のリスクに関わるさまざまな要因が知られています。
HRTを行っていてもいなくても、定期的な乳癌検診を受けて早期発見に努めることが大切です。
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