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解説

  • 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 産婦人科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、婦人科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • (1)全身倦怠感

  • (A)悪性腫瘍全般

    婦人科悪性腫瘍の主なものは子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんである。

    問診:
    最も重要なヒントは閉経後の性器出血あるいは、本人が月経とは思っていない出血である。これらがある場合は速やかに産婦人科専門医にコンサルトする。次に腹部膨満、頻尿などの項目に従って鑑別を行う。

    理学的所見:
    一般の腹部所見で婦人科臓器(卵巣・子宮)が10cm以上に腫大している場合は触知できることが多い。これ以下の腫大は内診・腟直腸診でないと捉えられない。
    内診の際は腟鏡をかけて子宮頸部を直視する。子宮頸がんの浸潤がんは肉眼的に判断できる場合が多い。鎖骨下リンパ節、腋下リンパ節や鼠径部リンパ節は必ず触診して腫大がないか確認する。

    検査:
    一次検査として腹部超音波が有効である。骨盤内臓器の観察には膀胱充満が必要で、これなしに観察は困難である。子宮頸部細胞診を腟鏡下に行うことで子宮頸がんのスクリーニングを行う。ただし、肉眼的にわかる悪性腫瘍は細胞診では壊死細胞のみが目立ち、悪性細胞が見られないことがある。
    肉眼的な子宮頸がんに対しては組織採取を行う。同様に子宮体がんを疑う場合、子宮内膜細胞診は偽陰性が多いので初回検査には向かない。経腟超音波は経腹超音波に比べて骨盤内臓器の解像度が高いので、閉経後の子宮内膜の肥厚や卵巣腫大の同定に有利である。
  • (B)内分泌疾患

    問診:
    年齢により考える疾患が大きく異なる。閉経前後数年間を更年期とする。また、性成熟期女性では月経周期と症状の関連を問う。月経開始2週間にのみ出現する諸症状は月経前緊張症を鑑別に上げる必要がある。

    理学的所見:
    外性器、子宮頸管粘液の状況は女性ホルモンの存在を反映する。甲状腺疾患は女性に多いので甲状腺腫大(Goiter)を常に確認する習慣をつける。

    検査:
    更年期障害に対してホルモン検査(FSHやE2)は無意味である。甲状腺機能低下症や副腎機能不全症は更年期障害と症状が似る。必要に応じてこれらの検査を並行して行う。
  • (C)貧血

    性成熟期女性に小球性貧血を認めた場合、過多月経によるものが多いことを念頭に問診を行う。逆に過多月経を認めた場合、鉄欠乏性貧血や鉄欠乏状態の検討を行う。鉄欠乏性貧血は全身倦怠感以外にもむずむず脚症候群など、さまざまな愁訴の原因となる。

    問診:
    生理用品が何時間持つか、夜中に寝具を汚してしまうことがないか、凝血塊が親指大(3cm)より大きいか、などがもっとも簡単な問診。生理用品が3時間以上持つ、夜中に寝具を汚したり目覚めて生理用品を代えることはない、凝血塊はあっても3cmより小さい、がそろえば過多月経の可能性は低い。

    理学的所見:
    腹壁から触れるような下腹部腫瘤は10cmを超えている。通常は内診により子宮の大きさや可動性を評価する。

    検査:
    子宮腫大を認めたら必ず経腟・経腹超音波で筋腫かどうかを確認する。卵巣がんの約半分は内診所見だけでは子宮筋腫と区別がつかない、とされている。鉄欠乏状態の診断は血性フェリチン値で評価する。正球性貧血であってもフェリチンが低い貧血は鉄欠乏性貧血を考える。フェリチンは慢性炎症などで高値になることに注意する。
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