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解説

虫刺症

  • 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。 皮膚科医が一般診療でよく出会う、患者さんの症状・主訴をベースに、皮膚科疾患を考える上で必要な問診・理学所見・検査等を掲載しております。日々の診療の一助として是非ご活用ください。
  • 虫刺症
  • 定義・概要
    虫刺症は節足動物による“虫刺され”であるが、実際にはハチやアリ、ムカデなどによる刺咬のみではなく、カ、ブユ、ノミ、ダニなどによる吸血時の有毒物質注入、ドクガ類の毒針毛接触、イラガ類幼虫の毒棘刺入、ハネカクシやカミキリモドキなど昆虫類の体液接触による症状も広く含めた総称として使用されている。
    刺咬直後から掻痒を伴う膨疹や紅斑が出現し、1~2時間で軽快する即時型反応と、刺咬後1~2日で紅斑、丘疹、水疱を生じる遅発型反応がみられる。症状は、吸血時に注入される唾液成分に対するアレルギー反応あるいは虫の毒液に含まれるヒスタミン類によって引き起こされているとされる。年齢や注入された毒液量、アレルギー反応の程度によって症状の個人差は大きい。
  • 診察時のポイント
    咬性の虫による皮膚炎では疼痛が強く、吸血性の虫による皮膚炎では掻痒が強いことが多い。虫の種類によって発症しやすい時期や時間帯、皮疹の好発部位が異なり、症状発現の個人差も大きいことにも留意しておくことが重要である。また、野外活動の有無や生活環境など丁寧な問診が必須である。
  • 診断の流れ
    虫刺症の中でもハチ毒に対するアナフィラキシーショックは致命的になりうるため、正確かつ迅速な診断が重要である。ハチ毒に対する即時型アレルギーの診断には、ハチ(スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ)に対する特異的IgE抗体を測定できるが、その他には原因虫を特定できる検査が存在せず、受傷場所や皮疹の分布から推察して類似疾患を鑑別しながら診断を行う。
    なお、イエダニによる皮疹は被覆部を中心に生じるが、その他は露出部に分布することが多い。
  • 鑑別疾患
    【伝染性膿痂疹】ノミなど水疱を形成する虫刺症では掻破により伝染性膿痂疹を生じていることがある。
    【慢性痒疹】ブユ刺症で生じた掻痒性丘疹を掻破し続けるうちに、難治性の痒疹結節を形成することがある。
    【天疱瘡・類天疱瘡】ノミなど水疱を形成する虫刺症では、天疱瘡や水疱性類天疱瘡に類似して水疱を形成することがある。天疱瘡や水疱性類天疱瘡は紅斑上に水疱形成することが多い。
    【蜂窩織炎】一般的には片側の下腿に発赤、腫脹、熱感、圧痛を生じる。刺咬後に強い腫脹を生じる場合、蜂窩織炎に類似した症状を呈する。
    【帯状疱疹】ドクガ類の幼虫による皮膚炎では、初期の帯状疱疹に類似した皮疹を呈する。帯状疱疹は片側の漿液性紅斑から始まり、集簇性に多発した小水疱を呈する。
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